2016年5月31日火曜日

与那国島(2)

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朝のお仕事を終えて、のんびり出発。「車のドアを開けっぱにしてたら風にもぎ取られちゃったって人もいるから気をつけてね!」と宿の人に教えられて「そんな馬鹿な・・・」と思っていましたが、外に出ると風が強い。うーん、この島では強風はデフォルトのようです。だからこそ鳥が休憩するんでしょうけどね。
とりあえず島内最大の水場である久部良ミトへ。ハシビロガモ、キンクロハジロ、オオバンなど見慣れた水鳥を見て、最西端なのに・・・と不思議な感じ。ハシビロなんかは奄美でもよく見るのでかなり南方に降りてくるカモなのかもしれないですね。
池の周りをウロウロしていると、藪から聞き覚えのある声が。冬に隣県で確認したムジセッカでした。「チョッ、チョッ」とウグイスよりもだいぶ高く、ミソサザイに少し似た声。本土ではレアな鳥も、この島では普通に越冬しているようです。ムジセッカの姿を探していると、バーダーの男性が現れたので挨拶。名刺を交換したりして少し情報交換をしていると、なんと自分が与那国に行く前に下調べとして何度も読んだ探鳥記を書かれた方でした!こんなこともあるのですね~。何か出たらよろしくです、とお互い告げて、場所移動。
比川集落にある水田も、島内有数の水鳥スポット。先ほどの情報交換でシギチが何種か入っていると教えてもらったので期待が高まります。まず目に入ったのはオジロトウネン。本土でも珍しくありませんが、飛来数が少ないのでじっくり観察するチャンスはなかなかない種。車を横付けして、じっくり撮影できました。

オジロトウネン。夏羽でも目立つ色にはなりませんが、肩羽付近にオレンジ色の夏羽が現れています。かわいい 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

ほかにも、田植えの終わった田んぼを双眼鏡で確認すると、いるわいるわ、タカブシギ(40±!)、ツルシギ、アカアシシギ、アオアシシギ、ウズラシギ、セイタカシギ、コチドリ、タゲリ、その他諸々。珍しい種はいないものの、普段田んぼのシギチはあまり見ないのでもうこれだけでテンション上がってしまいます・・・見上げるとツバメに混じってすこし大きめの鳥が。この時期に見るのは初めてのアマツバメ。車の窓から撮っていると、シギチが何かに驚いて一斉に飛び上がりました。案の定、猛禽が頭上を過ぎて行ったので慌てて証拠を・・・確認するとハイタカ・・・ハイタカ?!こんなところにも来てるんですねぇ。ハイタカが東シナ海を一生懸命飛んでる姿なんて想像できません。

 この田んぼで最も多くみられたタカブシギ。写真からも風が強いことが分かるかと / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


 ツルシギ久々に見た!と喜んでいると・・・ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


 1羽のアカアシシギがやってきました。ちゃんとRed Shankどうし仲間意識があるのか、自然にツルシギの群に合流。真っ白な次列風切が眩しいッ! 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


 1羽だけいたタゲリ。冬に見る雰囲気と少し違うような・・・と思っていましたが、夏羽へと移行中のようですね 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


アマツバメは3羽。一緒にとんでいたツバメと比べると、やはり大きい! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

田んぼのすぐ上の林の中を散策してみると、初めて見る蝶たちに出会えました。いずれも南西諸島では普通種ですが、本土では見られない種なので嬉しい。同じ宿に泊まっている蝶屋さん曰く、今年の春は天候が微妙で蝶の活性が低いとのこと。確かに、島内では飛んでいる蝶をほとんど見かけませんでした。

 リュウキュウヒメジャノメ。本土のヒメジャノメに酷似しています/ Nikon D300,TAMRON SP AF90mm  F/2.8 Di MACRO 1:1


こちらはクロボシセセリ。気温のせいか黒紋が未発達のようです / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

集落の海岸には、Dr.コトー診療所のドラマで使われた建物がありました。近くの小学校も春休みなのか人気(ひとけ)もないし、とても静か。美しい海岸に一人で降りて、「ああ、最西端に一人で来てしまったなぁ」と改めて実感しました。

ドラマ「Dr.コトー診療所」のセットとして使われた建物。ほんと海のすぐ近くにあります  
/ Nikon D300,SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM

小学校の前にある岸壁を歩いていると、芝生にヤツガシラ。他にも校庭にはホオジロハクセキレイ、シマアカモズ、シロガシラなど与那国らしいメンツがいましたが、人がいないとはいえ小学校に向かって双眼鏡や望遠レンズを向けるのは気がひけるので、あまり粘らずに場所移動。
久部良ミトに再び寄ってみると、年配のバーダー4人グループに遭遇。なんでも仲間で何度も与那国に来ているそう。彼らもつい最近島入りしたということなので、過去の話などを聞かせてもらっていると、遠くに腰の白い鳥が飛んでいるのを発見。双眼鏡で覗くと・・・「ツバメチドリ!」実は憧れだったツバチの初見がこれとなりました。
昨日一番に行った東崎に行ってみると、昨日と同じ道路の道端にまたヤツガシラが。しかしこの個体、なかなか神経質で最徐行で近づいても一定距離を保ってしまいます。昨日かなりの数がいたオオチドリは5羽のみ。群が分散しているのかな~とのんきにあたりを散策中、藪の中からカエルのような声が。「カエル?いや移動してるから鳥だな・・・なんだこれ?」と硬直していると、枝の隙間からとてっと姿を現したのはなんとノゴマ。ノゴマってこんな地鳴きだったか!とほとんど鳴き声を予習しなかったことを反省。いや~でも姿を見れて良かった!じつはこれも初見。
牛舎の周りでジョビ男さんに遊んでもらってこの日は宿に帰りました。

アダンに止まるジョウビタキ。後ろは海! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

与那国、めっちゃたのしい!


つづく

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