2016年4月27日水曜日

奄美大島 7日目

3/23

朝7:30に起床、久々にまともな時間寝たので気分がいい。つくづく睡眠は偉大だと思い知らされます。
丸一日使えるのは今日までなので、去年オーストンオオアカゲラがよく見れた森へ。グラウンドのホオジロハクセキレイを見つつ、森に入ってみましたがオーストンオオアカゲラの気配が全くしない!「おかしい・・・こんなはずではない・・」とぶつぶついいつつ、特に収穫もないのでヤツガシラの目撃情報がある南部の方まで一気に足を伸ばしてみることに。しかしこれもただガソリンを浪費するだけに終わり、仕方ないのでギンムクのいた漁港まで一気に北上。

サシバはいたるところにいました  / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

 亜種リュウキュウハシブトガラス。大きさは計測値では若干小さいようです  / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

するとやっとここで仲間のMくんがミヤマホオジロのオスを発見!曰く、地鳴きで存在に気づいたそう。自分だけではきっと見つけられなかったでしょう、発見力に脱帽しました。

嬉しい出会い!鳴き声はカシラダカと同じように聞こえました。ひとりぼっち・・・ 
  Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

少し距離があったので、ベンチにすわるおじさんが奏でる三線の音を聞きながら芝生に這いつくばって匍匐前進。この時まで収穫がなくてテンションダウンしてたこと、ミヤマホオジロをしっかり撮ったことがなかったのでとても嬉しい出会いでした。おじさんにはどう見えていたかわかりませんでしたが、まぁ変な集団だと思われたのは確かです。

しかし、いい気分になった後はなぜか惨事が起こるのが今年の奄美。帰り際、夕食を調達するためにコンビニに寄ろうとすると、駐車場内でバックしてきた軽自動車と衝突!幸いけがなどはありませんでしたが、警察、相手の会社の人、保険会社の担当者があつまり、あたりは少し騒然。明らかに相手に100%非がある状況でしたが、保険会社の担当者曰く「修理費など出た場合、確実に10:0にはできないと思ってください」と。こちらはレンタカーで明日返して帰る予定だし、どうしろと・・・今だから言えますが、この担当者の話はめちゃくちゃわかりづらかったです。明るくて信頼できそうな感じだったのにな・・・しかしこういう事故の対処はめちゃくちゃ面倒くさいし、理不尽極まりませんね。結局この後、奄美を出た後も連絡を取り合ったりで疲れました。

車は自走には問題無かったので、気を取り直したことにして、食事、風呂、最後の夜間徘徊へ。仲間にサータアンダギーやフランクフルト、スタンプが貯まった浴場の割引カードを頂いてしまい、ちょっと涙が出そうでした(言い過ぎ)。ただ肝心の入浴時にカードを出すのを忘れるという・・・来年使います。
雨は一向に止まず、むしろ強くなるばかり。今日は両生類や爬虫類をメインに探そう!ということになり、二台体制でいつもの林道へ出撃しました。目論見通り、カエルはオットン、アマミハナサキ、そして今年まだ見ていなかったアマミイシカワを、あまり期待していなかったヘビもリュウキュウアオヘビが出現!緑色がとても美しいヘビでした。雨が降っていたので写真は諦めましたが、この夜一番興奮した出会いでした。見つけて連絡してくれた後輩や仲間たちに感謝!

 オットン! Nikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

 どっしりNikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

 姿勢のいいアマミハナサキガエルNikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

アマミイシカワガエル!奄美のカエルといえばこれです / Nikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1


車はぶつけられましたが、ミヤホやカエル、ヘビたちに会えてなんとか穴埋めできた1日でした。荷物をまとめたり費用の清算をしたりして、「アップダウンの激しい一週間だったなぁ」なんて考えながら就寝。あ、そうそう、レンタカーを返してもらうときにお店に説明するメモを書かなければ。明日は自分だけ早く離脱なので、みんなに挨拶してやっと就寝しました。





2016年4月20日水曜日

奄美大島 6日目

3/22

朝4:30、携帯のアラームで目を覚ます。自分に鞭打ってでも生き物を見に行こうとするんだから我ながらなかなか呆れますね。調査が終わって早起きの義務がなくなったというのに。

早速、夜間徘徊で何度も通っている林道へ。普段の時間であれば自分ら以外に徘徊車がいることが多く、タイミングが悪いと悲惨な結果になってしまう。だから今日はちょっと期待できるぞ!そう考えながらゆっくり攻めると、早速出てきたのはアマミヤマシギ。道路から飛び立ち、近くの電線へ。電線にとまるヤマシギもおかしなものだな、と思いながら、運転席の反対側だったので身を乗り出して撮影。あ、でも富士のオオジシギも電柱とかに普通に止まってたな・・・。

アマミヤマシギ / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

目がッ!目が〜ッ!!無念。 / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

思惑通り、この早朝流しではクロウサギ3、アマミヤマシギ5以上、そしてスペシャルゲストのケナガネズミにも遭遇。ネズミは丁度道路を横切るところで「あー!ケナガネズミ!」と急ブレーキ、眠気が吹っ飛ぶ。そんなこちらのことも気にせず、ネズミは向きを変えてそのまま車の方へ近づき、道路脇のブッシュへ。写真は撮れませんでしたが、その特徴的なしっぽを目に焼き付けることができました。心の中でガッツポーズ。やった!
時間があったので終点でUターンして同じルートを再チャレンジ。空が白み始めていたので夜の主役たちはもういませんでしたが、ルリカケスや、なぜか歩いていた真っ白なヤギの親子を見送り、そのまま三日連続となる固有種ポイントの森へ。自分は眠かったので到着後車内で仮眠・・・。
シロハラが落ち葉をかき分ける音で目が覚め、先に行ったみんなを追って森へ。おや?昨日まで元気に鳴いていたアカヒゲはやけに静か。人もいないし、時間的には良いはずなんだけど。
仕方ないので水場近くで待っていると、早速やってきましたルリカケス。よく見るとカエルをくわえているではないか!カメラを構えて数枚シャッターを押すと、驚いたのかカエルをぽとり。しかし、獲物が地面に落ちる前に枝から急降下して見事にキャッチしました。ちょっと慌てた感じがなんとも可愛いかったです。

なんとか証拠写真。鳴き真似をしていたので、反応するカエルを捕らえていたのかも / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

アマミヤマガラ。本亜種との違いは・・・よくわかりませんでした(笑) ちょっとくすんでいるかな? 
/ Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

アカヒゲがさえずり始めたので、そっと木の間を覗くと、地面近くを動く赤い姿が!まともな写真を撮らせてはくれませんでしたが、なんとか今遠征で初めて姿を見ることができました。名残惜しいですが、今日帰る仲間を送るためにここで離脱。ルリカケスの意外な姿も見れたし、良しとしましょう。
その後、港、海岸、岬の公園などいつものコースを回るものの、数日前まで楽しませてくれた暗色サシバや、去年見られたヤツガシラなどは出現せず、海をバックにイソヒヨくんや水浴び後のルリカケスたちに遊んでもらいながらだらだら鳥見・・・。

シュバッ! / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

早めにお風呂へ行くと、すごく近くの枝ににサンショウクイ、お風呂から帰るときは、素晴らしい夕日。カメラを持ってないときにいい被写体が現れるのはあるある、残念ながらどちらも撮れませんでした。うむむ。
外食続きだったので「せっかく調理もできるんだし、一回くらいみんなで作りたい!」というわけで今日は一緒に止まってる仲間とカレーを作ってみました。普通のカレーだけど、みんなで作ると楽しいし美味しい。これは年末の青森の調査で学んだこと。

夜は林道へ行かず、近所の水場でカエル探し。去年たくさん鳴いていたハロウェルアマガエルは今年は時期が外れたようで、全く声が聞こえませんでした。ちょっと楽しみにしていたので残念。その代わり、というわけではないけれど、去年ちゃんと見ることもしなかったアマミアオガエルにターゲットを変更。こんなに大きなカエルだったっけ?目の中がとても綺麗でした。

かわいい! / Nikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

拡大すると、目の中がとても美しかった!/ Nikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

カエルを見てコインランドリーを回しにいく。一息つくと皆必ずツイッターで情報チェックしだすのが面白い。島にいるから周りからは羨ましがられる側だけど、本土の様子も気になるよね。日付が変わる頃に寝袋に潜り込む。明日は普通の時間に起きよう・・・。

つづく


2016年4月17日日曜日

奄美大島 5日目

3/21

調査地到着後、待ち時間に撮影。流れ星が写った! / Nikon D300,Sigma 17-50mm F2.8
調査最終日。結果はあまりよろしくなかったが、もう早朝に起きなくてもいいと思うと心が晴れやかに。
昨日あまり良い状況ではなかった森へ再び行くことにしました。
森に入ると、今日はカメラマンが多い様子。行動や雰囲気から明らかに他県から来た人たちのようですが、待つことをせずひたすら鳥影を追いかけている姿には少し呆れました。ちゃんと待っていれば向こうからやってくるのに・・・。残念ながら、この日もアカヒゲは姿を現しませんでした。

それでもなんとか粘ってルリカケスを撮影できました。相変わらず強敵です / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

いたるところで見られるシロハラ。暗い場所でしたが良いお立ち台に止まってくれたのでマニュアルモードに切り替えて・・・
 / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4
マメヅタ。たくさん生えてます / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

次にもう数年も滞在しているコウノトリが気に入っている場所へ寄ってみましたが、こちらもダメ。後からもらった情報によると、最近は少し行動圏を変えている様子。再会がかなわず、ちょっとがっかり。
近くに奄美有数の景勝地、ハートロックがある海岸あるので寄ってみることにしかした。しかし、ここの海岸林で去年多く見られたリュウキュウアサギマダラや砂浜のオカヤドカリも、ほとんど姿を見ることができませんでした。気温が上がるのが遅かったからでしょうか。ハートロックを拝み、ハマユウをみんなで撮影したりして、道路を挟んだ所にあるお店でランチ。

リュウキュウアサギマダラ。去年に比べとても少ないように感じました / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

 海岸へ続く森の中の道 / Nikon D300,Sigma 17-50mm F2.8

ハートロック/ iPhone 5S

 右手の岩礁にハートロックがあります/ Nikon D300,Sigma 17-50mm F2.8

 ハマユウ/ Nikon D300,Sigma 17-50mm F2.8

タコライス。美味しかった!/ Nikon D300,Sigma 17-50mm F2.8

今日も帰るメンバーがいるので、飛行機の時間まで北部の漁港や海岸で鳥をチェックすることに。漁港の草原に、運良くギンムクドリの小群を発見。本土ではなかなか見られない鳥なのでちょっと興奮しつつも車をそっと近づけました。
メンバーの中で数少ない奄美2年目なのに、今回まだめぼしいものを発見しておらず焦りを感じていたのでなんとか救われました。それにしても美しい鳥だこと!

ギンムクドリ。群れでトコトコ/ Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

なぜかメスばかり・・・/ Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

海岸では二日目に見られた鳥に加え、オジロトウネン、トウネン、ハマシギ、アカアシシギ、シマアジ、背後の松にリュウキュウサンショウクイを確認。合流した他車メンバーとともに、みんなでのんびり観察しました(自分は眠かったので砂浜でまたもや仮眠)。風もなく穏やかでサイコー!

松林の中もポイント。過去にはアトリやマヒワがいたこともありました / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

自由にとって食べれる豆腐コーナーもあります / iPhone 5S

夕食は今遠征二度目の「島どうふや」。こちらは値段のわりにボリュームがあり、とても美味しくて何度でも行きたくなるお店。
夜間徘徊は翌日の早朝に行くことにして(結局朝早いのかい!)、帰ってそくささと就寝しました。


つづく

2016年4月14日木曜日

奄美大島 4日目

3/20

この日は本調査の日。調査の詳細は書かないけれど、とても良い結果だったので久々に気分が良くなりました。

というのもつかの間、本拠地へ戻り今日は何が見れるかな!と意気揚々と再出発する時、車の後ろから「バコッ」と鈍い音と衝撃。まじかよ。
恐る恐る車から降りて後ろを見てみると、電柱に当たって車体が綺麗に凹んでいました。運転されていた仲間は後方確認ミスと言っていましたが、正直ここに電柱はないだろ...と一同が思ったでしょう。この駐車場は呪われているのかも?
警察を呼んでもらっている間に、他のグループの方がオオチドリを発見したという情報が。手続きを済ませ、起きてしまったものはしょうがない、気持ちを切り替えてレッツゴー!

オオチドリはグラウンドの中にポツンといました。初めて見る鳥だったので、飛ばさないようにフェンスの外から観察・撮影。これから書く予定ですが、奄美の後はこの鳥で有名な島まで行く予定だったのでこんなところで見れてしまいちょっと拍子抜け。でも初めて見る鳥との出会いは良いものです。情報を下さった方々には大感謝。

フェンス越しなのでちょっとぼやぼや。ひとりぼっちで寂しそうでした / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

シャイなハチジョウくん。パターゴルフのコースだったのでアップダウンにやられて全身を写せない!
 / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

今遠征で一番綺麗に撮れたアカヒゲ / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

コガネムシ系の幼虫を食べていました / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

後から仲間が駆けつけるということなので、グラウンド内に入り攻めることはせずに周りのハチジョウツグミやタヒバリ、シロハラなどを見てから、固有種を狙って森へ移動。どうやら子連れの団体さんが去った後だったようで、森の中は静かでした。ここでよく見られるルリカケスやアカヒゲは、声はするものの良い場所に出てこず・・・。

こちらは大きなミミズと格闘していました / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

リュウキュウコスミレ。南西諸島で最も普通に見られるスミレの一つ。株によって花の濃淡が様々でした 
 / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

アマミヒヨかな?と思ったら、普通の見慣れているヒヨドリ。渡り途中のヒヨドリの方が多く見かけました
/ Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

今日帰られる仲間がいるので空港に向かうことに。途中で思わぬ拾い物をして(事情があって詳細は言えないんですけど)メンバー一同ホクホク。しかし坂道の路肩に停めた車に乗り込み、空港まであと少し!というところで今遠征で一番怖かったトラブルが発生。なんとバッテリーがあがりブレーキもろくに効かない状況に!「やばいやばい!」となりつつも坂の終点であるT字路をまがり、なんとか路肩に停車することができました。あー怖かった。冷静に対処してくれた運転手の方には頭があがりません。とにかく他に車が来ている時じゃなくてよかった・・・。
飛行機の時間があるので、「ここでエンジンかからんかったらいよいよやばいぞ」と鍵を回すと、再びエンジンがついてくれたので一安心。無事に時間に間に合いました。それにしても、この一時間はめちゃくちゃ「濃い」時間だったね・・・とみんなで苦笑い。いやー、アップダウン激しすぎでしょ。
「この車、ホントに大丈夫か?」と思いながら運転を自分が代わり(この車はゆ○レンタカーという店で借りたのですが、他の人がレッカー車の人に聞いた話だとここはメンテがいまいちで、運ぶ車はだいたいここのレンタカー屋の車らしいです。奄美に行く方はご注意を)、本拠地に帰還。本調査の夜だったので懇親会があり、郷土料理の鶏飯をご馳走になったり、ビールを頂いたり。調査に参加された地元の方や、仲間といろいろな話をしました。

お酒が入っていたので夜間徘徊はせず、コインランドリーを回しつつ一息。
明日は何が見れるかな。トラブルがないことを祈って、眠りにつきました。


つづく

2016年4月10日日曜日

奄美大島 3日目

3/19

この日は予備調査の日。3時に起床、朝食もそこそこに、車に乗り込む・・・が、どうやら宿泊しているところの鍵が見当たらないようだ。鍵の管理責任者は自分であったが、確か昨日別の人に預けたはず・・・。集合時間が迫っているのでここは任せて先に出発(実はこの日、結局間に合わない人が何人も出てきてしまいました。もっと余裕を持って起床時間を設定するべきだったなぁと、深く反省)。
奄美の道路は信号が少なく、飛ばす人も少ないので運転しやすいのは事実。でもまだ日が出てない時間で、フロントガラスには激しく打ち付ける土砂降り。これはかなり視界が悪くて怖い!集合場所まで30分程度の運転でしたが、「間に合えよ・・・」という焦りもあってか、今思えばかなり危なかったです。

というわけで早朝の調査を終え、自由行動開始。
昨日行った北部のポイントをささーっとチェックするも、とくにめぼしいものはおらず。漁港で今回初めてお目にかかるホオジロハクセキレイを後輩が見つけましたが、遠くて射程距離外。

港にいた愛想の良いイソヒヨくん。 / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

車のすぐ下に! / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

こちらはメス。どこに止まってるの! / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

昨日大破させたレンタカーを交換してもらい、宿泊しているところの管理人さんとコンタクトをとるために一旦帰還、その後夕飯、風呂を済ませることに。
ギンムクドリがいたという港に寄ってみるも、日が落ちてしまいタイムアウト。
日中は全然ダメダメだったので、これは夜間徘徊で挽回するぞ!と、意気揚々と林道へ乗り込むと、後ろからライトを掲げたハイエースが。どうやら自分たちと同じような目的のツアーの車のよう。さすがにツアー車の前を行くのは気がひけるので、ここは良心に従って先を譲ることに。結局、アマミヤマシギが一羽という悲しい結果に終わりました。
林道の出口でカエルが跳ねているのを仲間が発見したので、降りてウロウロしてみると道路にヒメハブが降りていました。お、これはいいポーズ、とじっくり撮影。カエルの方はリュウキュウカジカガエルで、こちらも去年ちゃんと撮影していないのでパシャリ。

ヒメハブ。雨が降って道路が濡れていると結構出てくるようです / Nikon D300,Tamron SP 90mm F2.8 macro

リュウキュウカジカガエル。地味ですね・・・ / Nikon D300,Tamron SP 90mm F2.8 macro

なんとか最後は楽しませてもらったものの、はじめの勢いはどこ行ったのムードが内心漂っていた3日目でした。


つづく

2016年4月9日土曜日

奄美大島 2日目

3/18

近所の漁港にヤツガシラが出ている、そんな情報を聞き、朝一で覗いてみる。しかし現実はそう甘く無いもの、すでにヤツガシラは飛び去った後。公園にいたシロハラやイソシギ、若干本土のとは色の違うアマミヒヨドリなどを観察。
気持ちを切り替えて、とりあえずみんなで鳥見スポットとして有名な海岸へ。風が強いけど寒くはないので、「ああ、奄美に来たなぁ」とここで実感。
メダイチドリ、ムナグロ、ダイゼン、オオソリハシシギ、アオアシシギ、ヘラサギなどをチェック。まぁここの、この時期の定番種はいるよう。去年はキリアイやツクシガモなど普段なかなかお目にかかれない鳥たちがいたので、何度もチェックするけど今日はダメみたい。

ヘラサギとオオバン / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

「なんかとんでる」と、スコープを真剣に覗くiくん。
「大きくソアリングしてる」「これアホウじゃない?」なんと、水平線上をアホウドリ類が通過しているらしい。
スコープを借りて自分も見てみてみることに。ああ、たしかにこのシルエットと飛び方はアホウドリ類で間違いない!城ヶ島で海鳥を見ていた頃が懐かしくなりました。

今日到着するメンバーを迎えに空港方面に向かう途中、近くのため池でシマアジが出ているという情報が。添付された写真を見ると、これはかなり近い。メンバーを拾って急いで向かうものの、またもや飛び立った後。池の水面に漂うシリケンイモリを寂しく眺めるしかありません。
そんなことをしていると、お次は暗色サシバの情報!これも車でそう遠くない場所、これは逃してたまるかと、急いで駆けつけることに。

おなか側をじっくり見たかった! / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

いたいた、今度はなんとか待ってくれたみたい。背を向けていたのでイマイチ暗色型という実感が持てないが、「うん、暗色型だね!」と自分に言い聞かせました。
結局お腹を向けてくれることはなく飛び去ってしまいましたが、最後に目の前を低く通過!ダークチョコレートを塗りたくったような下面をしっかり見せつけてくれました。

お昼を食べて、次は田園地帯へ。雨が強くなり、特に収穫もないまま基地の近くまでもどることに。近所のカエルポイントでメンバーがヒメハブを引っ張りだしてきて、写真を撮らせてもらったり。毒ヘビを素手で掴むのは、さすがに自分にはできないなぁ。

オキナワアオガエルの亜種、アマミアオガエル / Nikon D300,Ai AF-S Nikkor 300mm F4

・・・このあと、この遠征最悪の出来事が。駐車場内で車を転回させるときに、誤ってフロント部分を謎の丸太(この丸太、結局なんのために存在していたのか・・・)に引っ掛けてしまった!おかげでバンパーがガタッと外れかかっているではないか。免許を取ってもう一年以上たって、だいぶ慣れたと思っていたのに、初めて車を傷つけてしまいかなりショック。「慣れたころが一番あぶないのよ。私もぶつけたから」という母の言葉が頭をよぎりました。

あーあ、この先どうなるのやら。いいスタートを切ったと思った遠征は、早くもトラブルの嵐に入りかかってたのでした。


つづく

2016年4月4日月曜日

奄美大島 1日目

去年初めて参加したこちらの調査に今年も参加して参りました。一週間の奄美大島滞在記録を、毎日適当にスマホに記録していたメモを参考に、しばらくまとめようかと思います。
我々(主にツイッターで呼びかけた大学生バーダーの皆さん)が参加した調査は3日間。ではなぜ一週間も居たのか?それはもちろん、調査を口実に奄美大島という固有種のパラダイスを満喫するため。今年もいろいろな生き物に出会うことができて、去年とはまた違った奄美を感じることができました。ただ、今年は毎日頭を抱えるようなトラブルが連発し、かなり精神的にくるものがあったため少しそれに相殺されてしまった気が。でもまぁ、帰って撮った画像を整理していると、「楽しかったなぁ、来年もまた行きたいなぁ」と思うわけですよ。単純なもんです。

それでは、長い長い旅の記録のはじまり、はじまり。

3/17

「それでは、今回ご予約されているのはシンプルバニラとなっておりますので、お荷物預けの手数料として四千円いただきますね」
「(そんな馬鹿な!たしかに予約時にコミコミバニラにしたはずだったのに!ああああああやってしまったあああ)...はい、わかりました」

いきなり予期せぬ出費から始まった今回の遠征。バイトを辞めてあとは貯金を切り崩す生活を強いられる身としては初っ端から痛いスタートでした。
というわけでLCCのバニラエアを利用して、成田から奄美まで。ここで関東から出発するメンバーたちと合流し、飛行機に乗り込む。

夕方ごろ、レンタカーで調査の説明会の会場まで向かい、調査の概要や注意点などを再確認。すでに日も落ちているので、公衆浴場へ行き、そのまま夜の林道を車で流すことに。
今年の目標は、去年見事に惨敗に終わった夜の生き物(アマミノクロウサギ、アマミヤマシギ、リュウキュウコノハズクなど)の写真を押さえること。去年は夜の撮影になれていないのと、高感度撮影に弱いフォーサーズの機材を利用していましたが、今年はそうはいくものか!なにせ機材はニコンに一新したし、GWに下呂で夜の撮影のコツをつかんでるのです。
ISOを高くし、絞りは開放。よし、準備万端。

前方に別の車が来てしまっている(あとで、この車は「二手にわかれて、それぞれ別の入り口から入ろう!」と言っていた同グループのものでした笑)ので「これはダメかも・・・」と思っていたものの、ウサギ1、ヤマシギ5とまずまずな結果。ウサギは一回きりだったが道路の脇でうずくまって動かなかったのでしっかり押さえることができました。さらにヤマシギもつがいでのんびりと採餌している姿を観察。しまいには、向こうから近づいてきて車のすぐ下まで。
なんと最初の夜にして、目標の大半を達成してしまったのです。

目の後ろの裸出部が特徴。地味ですがとても可愛らしい鳥です / Nikon D300,AF-S Nikkor 300mm F4

ちょっと後ろ向きだけど・・・ウサギにしては控えめな耳の、アマミノクロウサギ / Nikon D300,AF-S Nikkor 300mm F4

「これは幸先いいかも・・・」

こう思ったのが大きな間違いだったということを、この夜の自分はまだ知る由もなかったのです・・・。



つづく

2016年4月1日金曜日

素敵な銚子

帰省中の計画その3、銚子で久々にカモメを見に行くこと。銚子に来るのは中学2年生の頃が最後だったと思う。青春18切符があれば2千円ちょっとで行けるのに、なぜ関東に住んでいる間にもっと行かなかったのか...と悔やまれます。

というわけで18切符を握りしめて電車にゆられること4時間(尻が痛くなりました)。ついに銚子にやってまいりました。

カモメ! / iPhone5S

ここは言わずと知れたカモメ類の聖地で、その数は凄まじいのです。どこに目をやってもカモメ、カモメ、カモメ...
というのは言い過ぎかもしれませんが、これだけカモメがたくさんいると色々な種類がいるわけです。

ウミネコ成鳥 / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

一番目につくのはウミネコ。他のカモメ類に比べ換羽が早いのですでに綺麗な生殖羽になっています。若い個体をあまり見かけなかったのが不思議でした。渡りのタイミングが違うのかも。

Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

ロープに連なっていました。すぐ近くに寄っても逃げない!

大型カモメは若い個体もよく見られました。オオセグロカモメは個体差が多いのでセグロカモメと迷う個体も。

 典型的な個体 / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

 ちょっと黒っぽい / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

磨耗して白っぽいですが、風切りの色が残っていること、くちばしの色からシロカモメではないことは一目瞭然
 / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

お次はワシカモメ。こちらは第一回冬羽の個体はよく見かけましたが、成鳥は2羽しか見かけませんでした。成鳥、1Wとも初列風切と背中の色が単調なのが特徴ですね。若い個体は足が汚れた色をしているのもポイント。それにしても立派なくちばし...

 美しい!ワシカモメの成鳥は久々に見ました / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

もっさりチョコ色のワシカモメ1W / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

関東以西ではなかなか出会えないミツユビカモメが見られるのも銚子のいいところ。止まっている個体はすぐに飛んでしまってゆっくり観察できませんでしたが、水揚げ場で飛ぶ個体を複数見つけました。

ヘッドホン模様とレモン色のくちばし、バチ型の尾が独特 / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4


だいぶ磨耗が進んでいるようでした / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4


(ただ)カモメも近い!向かい風に乗ってふわふわ〜  / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

漁船が帰ってくるころ、おびただしいほどのカモメが集まってきました。ちょっとこの漁船に乗ってみたい。

 うおおおお / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

漁港の屋根に並ぶセグロカモメたち / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

折り返し地点にある、小さな干潟。広い銚子のなかでも濃いスポットで、主に大型カモメの若い個体が集まっています。

茶色いのが、うじゃうじゃ / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

今回、この干潟では2個体のカナダカモメを見ることができました。そのうちの1個体はカムリアンとの中間個体。

華奢な体格、尾羽より長く出た初列風切がカナダらしい / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

オオセグロカモメ(おそらく)のバフ変個体も見られました。雪だるま。

普通に磨耗するだけではここまで白くならないそうです / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

銚子はカモメ以外にもいろいろな海鳥が見られるのですが、期待していたウミスズメやビロードキンクロは見つけられず。電車の関係で現地に4時間しかいられなかったので、しょうがないか...

 キンクロハジロ / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

オオバン / Nikon D300,AF-S nikkor 300mm F4

遅い昼食をとって帰りの電車へ。各停だったので家に着くまで5時間以上かかってしまいました。やはり鈍行でいくには限界の距離だということを実感。車欲しいなぁ...。

まなもと