2016年9月17日土曜日

初夏の高山

です、ます調の文章を書くのがどうも苦手なので以降の記事ではだ、である調に変えます。。。

ご縁があってライチョウを見に行く機会があった。
ライチョウと言えば2年くらい前にバードソンでスコープ越しにゴマ粒(というかむしろケシ粒)のような影が雪上を歩くのを見たのが初見だった。いつかちゃんと近くで見たいと思っていたので、またとない機会に歓喜歓喜。
数十分おきに休憩を入れながらのんびり登山道を登っていると、聞こえてくるのはメボソムシクイやカヤクグリ、ウソの声。彼らの声を聞くと標高の高い場所まで来たのだと実感させられる。足元を見るとイワカガミやヤブデマリなどの美しい花々。息を切らして登ってきても、楽しみがそこらじゅうにあるので辛くはない。

メボソムシクイ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

カヤクグリ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

というわけで無事に今回泊まる山小屋に到着。ちゃんとした登山は人生で二回目か、山小屋に泊まるのは初めて。わりときれいでしっかりした山小屋だった(最近増築したらしい)。6月とはいえかなーり寒いので暖かい湯にでも浸かりたいところだけれど、ここは温泉などないので我慢我慢。水は大切に使わなくてはならない。
翌日、山小屋からさらに登山道を登り、ライチョウを探す。まず目につくのはそこらじゅうにいるイワヒバリ。警戒心がない上に目立つところに止まってくれるので良い被写体になってくれた。いい奴だ。

一見優美な配色だが、ハイマツ帯の中にいるとそれが保護色であることに気づく / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


目の前で囀ってくれた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

交尾も見られた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

ライチョウのオスは縄張りを主張しあう時期なので、「ぐううう」という鳴き声はよく聞こえる。鳥見を始めた頃、図鑑の巻末に付録でついてきた鳴き声CDを聞いて、「ライチョウの声きもちわるいな!」と感じたのを思い出した。遠目だが下界のブナ林をバックに飛ぶ姿も見れた。以外と飛べるのね。
数は確認できるがなかなか近くで見れないので道から逸れて(ちゃんとした調査だったので大丈夫だが個人で見るときはアウト)いろいろな角度から探してみる。するとあとから来たベテランの方が「ここにいるよ~」と呼んでくださった。その方の指差す方向を見ても見つけられなかったので数歩動くと何やら足元で動く茶色い塊が。0.2秒くらい経って「うわ!!」となってしまった。初めて見るライチョウのメスだった。
その後もライチョウのメスは足元をうろちょろして、しばらくすると霧の中に飛んでいった。警戒心がない鳥だと聞いていたがここまでとは・・・。もこもこしていてサイコーに可愛い。

ツーショット / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

最終日、前日にメスがいたところを目指して登る。数分歩いたところでふと顔を上げると、視界の端でなにやら動く岩が・・・いや岩じゃない。ライチョウのオスだ!今回間近でオスを見たのはこの時が初めて。しばらくすると見晴らしの良い岩に登り縄張りを主張しだした。付近にもう一個体いたので、時たまその個体が追いかけ回していた。どうやらここでの力関係は初めに現れた個体が優っているようだ。
ピークで定点観測をして、下山を始めると登りで見たのと同じと思われる個体に再び遭遇。ちょうどこのころから急に天候が悪くなり、激しく霰が降り始めた。それに6月なのに非常に寒い。しかしライチョウはそんなことも気にしない様子で縄張り宣言。
厳しい環境で力強く生き抜くライチョウの生き様を垣間見ることができ、大満足の遠征だった。

「ぐうううう」 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


ぶるん! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

今回、高山に行って印象的だったのは、ライチョウが人に対して実におっとりとした態度であったこと。その一方で観察中に現れたノスリやハシブトガラスに対しては敏感に反応していた。危害を加えない生き物と天敵をうまく区別しているのか、それともアホなのか・・・そのような性格であっという間に人間に乱獲されて絶滅した生き物はたくさんいる。しかしライチョウはヨーロッパなどでは格好の狩猟対象とされているものの、日本では信仰の対象とされていた地域もあったようだ。数は減りづつけるものの、ある意味運のよかった鳥と言えるかもしれない・・・?

まなもと

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