2017年1月26日木曜日

小笠原3

母島はこの日がラスト。
海岸部を中心にシギチや渡り鳥を見て回ることにした。
運動場に集まっていたのは相変わらずキョウジョシギが多かった。車を横付けしてのんびり観察。

キョウジョシギ。どこ行ってもこいつらはやたら居た。グラウンドにいる印象が普段ないので新鮮 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

ムナグロも結構いた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

どこからともなくオガサワラノスリが飛んできた。シギチを狩るのか、と思いきやグラウンドのゴールポストに止まった。ちょっと距離があったが、止まっている姿を見れてよかった!

キョウジョシギを見つめるノスリ。なるほど本土のものより白っぽい。シギチを襲うことはよくありそうだが、キョウジョシギはあまり気にしていないのかな?
 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

車を走らせて、カラスバトの目撃情報のある丘陵帯を歩くもやはり発見できず。それでもハシナガウグイスやオガサラトカゲ、メグロなど小笠原らしい生き物をじっくり見ることができた。

 ウグイス。小笠原産の個体群は亜種ハシナガウグイスだが、違いは...(笑) ちょっと丸っこいか?人懐っこい個体だったが、父島の宿の人曰く小笠原のウグイスはみんなそんな感じらしい 
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

 オガサワラトカゲ。世界でここでしか見られないレアもの。ぬめっとした体表と細かい模様が非常に美しい!なかなかすばしっこくじっくり見れない...と思っていたら、日光浴をしに岩場に出てきている場所を発見 
/ Nikon D300,TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

メグロ。こちらも小笠原では是非おさえたい鳥であったが、個体数はやたら多く拍子抜け。しかし暗い林内にいるので意外とシャッターチャンスが少ない。ISOを許容ギリギリまで上げて耐えた
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

お昼には父島へむけてフェリーへ。やっぱり航路で期待してしまうのはアカアシカツオドリ。しかし残念ながら復路も見ることはできなかった。かわりに相手をしてくれたのはたくさんのカツオドリ。往路よりもたくさんの個体が乱舞してくれた。天気も回復して青空によく映える。ひとしきり写真を撮った後はぼーっと眺めていた。

 顔が黄色いのはメス/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

 こちらはオス。本当に手が届きそうな距離を飛んでいく/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

 1羽だけ幼鳥が混ざっていた。お腹のモコモコ感がいい / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

 もちろん、フェリーにも止まってくれた。往路では曇り空&逆光という悪条件だったが、帰りに綺麗に写せてよかった!
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

標準画角で撮るのも楽しい / Nikon J5,1NIKKOR 18.5mm f/1.8

父島が近くに見えてきた頃、ふいに後輩が斜め前方へ指を指した。どうやらクロアジサシの群れのようだ。わりと近いのでカメラを覗くと、見えたのは腹の白色部が背の方まで食い込んでいる鳥。「これは!」と思いながら反射的にシャッターを切った。ほんの数秒しか捉えることができなかったが、画像を確認してみるとやっぱりセグロミズナギトリ。地味に期待していた鳥だったので、思わずニヤニヤしてしまっった(しかし後輩はキャッチできなかみたい)。

腹の白い部分が翼の後縁から食い込む。羽ばたきが早く、軌道もせわしなかったので正直よく追えたな、と思う。メンバーみんなで確認できなかったのは残念
/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm F4S(IF)

さて、父島に再び上陸。一泊だけであったが、ここでの宿はとても居心地がよく宿の人もとても気さくで親切な方であった。生き物だけでなく立ち寄ると良いスポットも教えていただき、実際に車で送って頂いた。なんという待遇!素敵!また来ます。

 「夕日が見れればすごく綺麗だよ!」と連れてってもらったウェザーステーション展望台。あいにく雲が多く夕日は拝めなかったが、幻想的な眺めを楽しむことができた。それにしても人が多かったな
/ Nikon D300,SIGMA 17-50mm F2.8 EX OS HSM


 夕飯を済ませて夜間徘徊。宿の裏の山を登って展望台でのんびり星空や夜景を眺めた/ Nikon D300,SIGMA 17-50mm F2.8 EX OS HSM


展望台にいるのは後輩たち/ Nikon D300,SIGMA 17-50mm F2.8 EX OS HSM

つづく

2016年12月15日木曜日

小笠原2

今回の旅での個人的な最大の目標は、アカガシラカラスバトを見ること。母島二日目は、1日この鳥を探し回ることにした。
とりあえず、ということで山に登ってみる。登山口までの街でヒヨドリ、メジロなどを観察し、本土のものとの相違点を探した。足元をみると、あちこちにアフリカマイマイがいる。こちらは小笠原で大繁殖している外来種。天気が悪いせいか、昨日よりも多い気がした。
登山道は植物が繁茂しており、非常に湿気が高かった。汗がなかなか蒸発してくれないので、みんなあっという間にべとべと、カラスバトも見つからないのでなかなかしんどい。
山頂までやっと半分くらい来たところだろうか。急に視界が開けた場所に出た。見下ろすと一面に鬱蒼とした常緑樹の森が広がっている。水平線も見える。やっと「なんだかすごいところに来てしまったなぁ」という実感が湧いた瞬間だった。風がとても気持ち良い。

SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM

メジロ。小笠原のメジロは、亜種シチトウメジロと亜種イオウジマメジロの交雑個体群らしい。本土のメジロとの識別は困難。撮ってから気づいたが、尾がない! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

しかし、山頂まであと500mというところで急に雨が降り出した。とりあえず屋根のある休憩所に避難し、先に行くか、引き返して下山するか相談。「せっかくここまで来たんだから、上まで行くしかないでしょ!」と誰かが言う。よし、頑張りますか。
山頂に着く頃には雨は収まり、霧が晴れてくれたので幸いにも四方を海に囲まれた景観を望むことができた。カラスバトは見つからないけど、登ってきてよかった!
感動もつかの間、レンズを交換しようとしたら、美しい景色は再び霧の中に。残念ながら写真に収めることはできなかった。あらら。

カツオドリ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

下山後は、車を走らせ港や運動場などのポイントを回った。港には何度も繰り返しダイブするカツオドリが1羽。なんども目の前を飛んでくれて、サービス満点だった。他にはムナグロ、キアシシギ、チュウシャクシギ、キョウジョシギなど。特にムナグロはだいたいどこでも見ることができた。珍しい種類がいないかチェックするが、残念ながら不発。御幸之浜では後輩が立派なヒライソガニを見つけた。

荒地をチェックしていると飛び出してきたのはチュウシャクシギ/ Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

ムナグロonヘリポート / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

グァバの木にはメグロとメジロが集まっていた。落ちていた実を舐めてみると、なるほど、これは美味しい / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED300mm f4S(IF)

ヒライソガニ。立派な格好をしているのに、非常に臆病 TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

朝通った登山道入り口付近で、大きなカエルの干物がよく見られたので、夜になってから探索に出てみた。思った通り、道路のあちこちにいるわいるわ!特定外来生物のオオヒキガエル。
ずっしりとしたオオヒキガエル。外来種を含めると、日本のカエルの中ではウシガエルの次に大きなカエルだろう
 TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

ホオグロヤモリ TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

自販機は格好の狩場 TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1

他にも、オガサワラヤモリ、ホオグロヤモリ、交接するアフリカマイマイなどを観察。夜間探索は外来種のオンパレードであった。


つづく

2016年11月28日月曜日

小笠原1

9月に大学の後輩たちと小笠原に行ってきた。船でしか行けず、しかも片道丸一日かかるあの夢の島である。
小笠原といえば、生き物好きならまず固有種の宝庫と考えるだろう。今回の旅の目的はもちろん、独特な固有種をこの目に焼き付け、ついでに写真も撮ろること。航路での海鳥ウォッチングも鳥好きとしては見逃せない。

近い距離ではこのアングルしか撮れず残念。亜成鳥か / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

出航から1時間が過ぎたころ。未だ泥のような色をした海の上をウミネコが飛んでいるのを眺めていると、薄褐色の鳥がフェリーを追い抜いてくるのが見えた。カモメ類の幼鳥か、と双眼鏡を覗くとその特徴的な顔つきが飛び込んできた。思わず叫ぶと、後輩たちのカメラが一気にその鳥の方へ向く。あまりにも突然な出現だったため、カメラを構えるのが遅れてしまった。それでも比較的近い距離で、早速本遠征の第1号ライファー。東京湾でアカアシカツオドリを見られるとは思わなかった。
東京湾を抜けるとオオミズナギドリが増えてきた。しかし波が高くなり、デッキが立ち入り禁止になったので明日に備えて休憩することに。

燃えるような朝日 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

2日目、日の出の時刻に合わせて起床。さっそくデッキに出てみると、素晴らしい朝焼けが迎えてくれた。双眼鏡を覗くと昨日とは違うミズナギドリがたくさん飛んでいる。おがさわら丸では、非を跨ぐとオオミズナギドリからオナガミズナギドリに入れ替わるようだ。しばらく観察したあと、朝食とコーヒーを売店へ買いに行くために一旦船内に戻り、すぐにデッキに戻ってくると「オナガではなさそうな海鳥を撮った」と後輩。どうやらシロハラミズナギドリのようだ。小笠原周辺では珍しい鳥ではないが、この鳥も密かに狙っていた種類。双眼鏡とカメラを持つ手に自然と力が入った。



マッコウクジラは三回ほど見られた。写真はないが、イルカの姿も確認できた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

日が昇り、小笠原が近づいてくると、何度かマッコウクジラが姿を現した。尾を水面上にあげたりフェリーのそばを泳ぐ姿を見ることができた。ブイが浮かんでいたので双眼鏡で覗くとその上に乗っていたのはクロアジサシ。ようやく小笠原らしくなってきたと思っているころ、おがさわら丸は無事、父島に就航。ついに東洋のガラパゴスに上陸だ。

今回は母島に二泊、父島に一泊の予定だったので、小笠原に来たという感動もそこそこに、すぐにははじま丸へ乗り込んだ。手続きの途中、またもや後輩がトウゾクカモメやクロハラアジサシと思われる鳥を発見するが、どれも証拠が不十分で判定には至らなかった。



流線型の体が美しい。大好きな鳥のひとつ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

ははじま丸はおがさわら丸に比べ小さくデッキが海面に近いこともあり、観察には適している。早速トビウオ狙いのカツオドリたちがお出迎え。与那国航路でも体験したが、すぐ近くを飛ぶカツオドリを見ているのは楽しくて、全く飽きない。

オナガミズナギドリ。たくさんいたので逆に後回しになってしまい、ちゃんと写真が残っていなかった... / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

マストに止まっていた最後のカツオドリが飛び立つ頃、ようやくこの日の目的地である母島に到着。宿とレンタカーの手続きを済ませて、とりあえず車でいけるだけ北の端までいってみる。

亜種オガサワラノスリ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

途中で空を見上げると、猛禽の影が。小笠原に生息する猛禽類はオガサワラノスリのみ。ラッキー!

メグロ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f4S(IF)

海の見える坂道で車を止めると、木に鳥が群がっていた。メジロに似た声で鳴くのは、小笠原を代表する固有種であるメグロだ。警戒心も薄く、じっくり見ることができた。メジロと共に蜜腺に来ていたようだった。
おだやかな入り江でエゾビタキやオオイワガニ、外来種のグリーンアノールなどを観察してこの日は終了。明日の行動予定を立てつつ、潮風に揉まれた体を休めることとした。


つづく

2016年10月13日木曜日

ハリオアマツバメ

今年の夏は予てから気になっていたハリオアマツバメの集団水飲みを何度か見に行くことができた。
時期にもよるだろうが、天気が崩れてなくても日によって飛来数に大きな差があった。近くに雨雲があると、空中で雨を飲んでしまうため池にあまり来ないとカメラマンが語っていた(盗み聞き)。
さすが鳥類最速グループ、写真に収めるのは至難の技。水しぶきを上げている瞬間は結局満足に撮れず。。。
それでも、今まで鷹の渡り観察で偶然目にする程度のハリオが数十羽の群れをなして旋回する様子は、とても見ごたえのあるものだった。







まなもと

2016年9月17日土曜日

初夏の高山

です、ます調の文章を書くのがどうも苦手なので以降の記事ではだ、である調に変えます。。。

ご縁があってライチョウを見に行く機会があった。
ライチョウと言えば2年くらい前にバードソンでスコープ越しにゴマ粒(というかむしろケシ粒)のような影が雪上を歩くのを見たのが初見だった。いつかちゃんと近くで見たいと思っていたので、またとない機会に歓喜歓喜。
数十分おきに休憩を入れながらのんびり登山道を登っていると、聞こえてくるのはメボソムシクイやカヤクグリ、ウソの声。彼らの声を聞くと標高の高い場所まで来たのだと実感させられる。足元を見るとイワカガミやヤブデマリなどの美しい花々。息を切らして登ってきても、楽しみがそこらじゅうにあるので辛くはない。

メボソムシクイ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

カヤクグリ / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

というわけで無事に今回泊まる山小屋に到着。ちゃんとした登山は人生で二回目か、山小屋に泊まるのは初めて。わりときれいでしっかりした山小屋だった(最近増築したらしい)。6月とはいえかなーり寒いので暖かい湯にでも浸かりたいところだけれど、ここは温泉などないので我慢我慢。水は大切に使わなくてはならない。
翌日、山小屋からさらに登山道を登り、ライチョウを探す。まず目につくのはそこらじゅうにいるイワヒバリ。警戒心がない上に目立つところに止まってくれるので良い被写体になってくれた。いい奴だ。

一見優美な配色だが、ハイマツ帯の中にいるとそれが保護色であることに気づく / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


目の前で囀ってくれた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

交尾も見られた / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

ライチョウのオスは縄張りを主張しあう時期なので、「ぐううう」という鳴き声はよく聞こえる。鳥見を始めた頃、図鑑の巻末に付録でついてきた鳴き声CDを聞いて、「ライチョウの声きもちわるいな!」と感じたのを思い出した。遠目だが下界のブナ林をバックに飛ぶ姿も見れた。以外と飛べるのね。
数は確認できるがなかなか近くで見れないので道から逸れて(ちゃんとした調査だったので大丈夫だが個人で見るときはアウト)いろいろな角度から探してみる。するとあとから来たベテランの方が「ここにいるよ~」と呼んでくださった。その方の指差す方向を見ても見つけられなかったので数歩動くと何やら足元で動く茶色い塊が。0.2秒くらい経って「うわ!!」となってしまった。初めて見るライチョウのメスだった。
その後もライチョウのメスは足元をうろちょろして、しばらくすると霧の中に飛んでいった。警戒心がない鳥だと聞いていたがここまでとは・・・。もこもこしていてサイコーに可愛い。

ツーショット / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

最終日、前日にメスがいたところを目指して登る。数分歩いたところでふと顔を上げると、視界の端でなにやら動く岩が・・・いや岩じゃない。ライチョウのオスだ!今回間近でオスを見たのはこの時が初めて。しばらくすると見晴らしの良い岩に登り縄張りを主張しだした。付近にもう一個体いたので、時たまその個体が追いかけ回していた。どうやらここでの力関係は初めに現れた個体が優っているようだ。
ピークで定点観測をして、下山を始めると登りで見たのと同じと思われる個体に再び遭遇。ちょうどこのころから急に天候が悪くなり、激しく霰が降り始めた。それに6月なのに非常に寒い。しかしライチョウはそんなことも気にしない様子で縄張り宣言。
厳しい環境で力強く生き抜くライチョウの生き様を垣間見ることができ、大満足の遠征だった。

「ぐうううう」 / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)


ぶるん! / Nikon D300,Ai AF Nikkor ED 300mm f/4S(IF)

今回、高山に行って印象的だったのは、ライチョウが人に対して実におっとりとした態度であったこと。その一方で観察中に現れたノスリやハシブトガラスに対しては敏感に反応していた。危害を加えない生き物と天敵をうまく区別しているのか、それともアホなのか・・・そのような性格であっという間に人間に乱獲されて絶滅した生き物はたくさんいる。しかしライチョウはヨーロッパなどでは格好の狩猟対象とされているものの、日本では信仰の対象とされていた地域もあったようだ。数は減りづつけるものの、ある意味運のよかった鳥と言えるかもしれない・・・?

まなもと